耐火物誌

1988/11月

随想 オリンピックの金メダルと技術開発 堀川一男 641
技術報告 取鍋SNプレートの改善 若杉勇,斎藤忠,大手彰,河村康之,塚本昇,吉村裕次 642
極低炭素高酸素鋼用浸漬ノズルの開発 倉田浩輔,松井泰次郎,榊澄生,島田康平 648
連鋳タンディッシュライニングの不定形化 西谷輝行,松岡尚,鈴木敏文,榊敏,江崎敏之,市川博 655
〈第70回鋳造用耐火物専門委員会資料要約〉  
資料 取鍋スラグライン部マグネシア-カーボン質れんがの境界損傷軽減法の検討 長谷川輝之,高橋忠明,木谷福一,渡辺敏夫,寄田栄一,浜崎佳久,金重利彦 663
取鍋用ろう石れんがの拘束条件下における熱衝撃評価方法 永井敏,松村龍雄,井上晃,菊池克之 666
ドロマイトれんがの精錬用取鍋における使用結果 多田強,四宮和生,中川頼記 668
写真撮影法による取鍋残厚測定の検討 広木伸好,佐藤康,田畑勝弘,村瀬浩,堀田修三 670
アルミナ-カーボン質スライディングプレートの酸化鉄による浸食 川上辰男,新谷宏隆,山本重作 672
タンディッシュSN用2段式上ノズル 吉田毅,小池康太 674
タンディッシュSNにおける水モデル実験の検討 〔第1報:上ノズルからの吹き込みガス気泡の挙動〕 田畑勝弘,市川健治,塚本昇,飯田栄司,井上淳一 677
〈第49回鋳造用耐火物分科会資料要約〉  
資料 連鋳タンディッシュ用不定形ライニング材の検討 大石泉,海老沢律,舘野重穂 680
タンディッシュの吹付補修 長谷川輝之,高橋忠明,寄田栄一,山村隆,窪田行利,角村尚紀 682
講座 実践的耐火物講座 熱力学(重要事項の復習と演習問題) 山口明良 685
サロン 旅の虫 三輪徹 690
統計 統計 耐火物の生産実績  銑鉄粗鋼生産速報      
会報      

1988/10月

 1 X線回折計による立方晶ジルコニアの定量 山崎精一,力丸靖 582
誘導結合プラズマ発光分析法によるBN中の微量不純物の定量 恒次邦男,小口征男,川上辰男 583
溶融アルミニウムとチタン酸アルミニウムセラミックスの反応性 大矢豊,中川善兵衛,小林洋文,野崎雄一,浜野健也 584
炭化けい素の焼結 木島弍倫,植月徹,田中嘉一郎 585
窒化けい素の反応焼結 木島弌倫,植月徹,田中嘉一郎 586
任意のCaO/SiO2値をもつCaO/SiO2-Al2O3-MgO系相図 北井恒雄 587
ムライト針状結晶/溶融シリカ界面におけるき裂進展挙動 松尾陽太郎,南澤一右,安田公一,木村脩七 588
全自動熱間曲げ試験装置の開発 林田繁,三井春雄,山根利夫,小口征男,川上辰男 589
有限要素法による耐火物の熱応力評価 浅野敬輔,福岡弘美,大川清 590
10  キャスタブル耐火物の乾燥について 上野治幸,吉富丈記,神田美津夫,末川幸弘 591
11  キャスタブルの耐爆裂性に及ぼす乳酸アルミニウム添加の影響 本郷靖郎,宮脇正夫 592
12  転炉用煉瓦積装置の開発について 広木伸好,牟田源助,三木隆,秋山均 593
13  樹脂系モルタルのマグネシア・カーボンれんがへの適用 倉田浩輔,渡辺明,高橋宏邦,中谷二三男 594
14  石油・石油化学装置用キャスタブル耐火物内張圧力容器のホットスポット発生機構 竹原勝之進 595
15  コークス炉溶射補修材料の開発 片岡愼一郎,上野治幸,津田秀行 596
16  高耐用性マッド材の開発 鳥谷恭信,三井春雄,山根利夫,小口征男,川上辰男,山崎貞行 597
17  高炉微粉炭吹込羽口用セラミック断熱リングの開発 平初雄,田村信一,池田順一,池原眞也,有野俊介,市口順亮 598
18  溶銑予備処理用混銑車耐火物の目地損耗 大石泉,鈴木孝夫 599
19  混銑車における溶銑処理用耐火物の開発 川上辰男,新谷宏隆,佐藤力,松生昭,宮川三郎,南部正夫 600
20  高稼動率のための混銑車の操業と耐火物補修 南部正夫,宮川三郎,松生昭 601
21  各種耐火物と溶銑予備処理用フラックスの反応について 北井恒雄,土成昭弘,保木井利之,田中雅人 602
22  溶銑予備処理ランス用耐火物の開発 浅野敬輔,池田順一,筒井康志,木船勲 603
23  MgO-Cれんがの酸化,内部反応 渡辺明,高橋宏邦,高長茂幸,松浦治 604
24  高温下におけるカーボン含有耐火物の挙動 池末明生,山本博,鹿野弘,平櫛敬資 605
25  マグネシア・カーボン耐火物の高温反応に関する実験室的検討 長舟万里,石井宏昌,土屋一郎,小口征男,川上辰男 606
26  MgO-CaO系クリンカーの特性と耐食性 渡辺明,高橋宏邦,高長茂幸,吉田章二 607
27  高寿命複合転炉の実現 南部正夫,宮川三郎,松生昭 608
28  転炉鉄皮冷却および一層巻きライニングによる炉寿命向上 大手彰,副島利行,斉藤忠,若杉勇,堀川健一,川崎博也 609
29  珪酸塩結合吹付材 寄田栄一,山村隆,中村良介 610
30  熱間水系流し込み補修材へのドロマイト原料適用効果 渡辺明,高橋宏邦,野々部和男,松本祐一 611
31  酸化チタンを含有する高アルミナ骨材原料の性質 保坂卓男,高橋一彦,井上典幸,大橋秀明 612
32  ムライトセラミックスの焼結性と機械的性質に及ぼす合成手法の影響 熊沢猛,太田滋俊,神崎修三 613
33  大結晶マグネシアクリンカーのスラグ溶損性 河野房夫,丹生国彦,小田康義,加藤幸雄 614
34  鉄含有水酸化マグネシウムの鉱化剤としての役割 兼安彰,新松智 615
35  混練設備の効率化 久良正巳,石城戸広士 616
36  成形圧力の伝達について 谷寿郎,小出佳晴,江端正道 617
37  フリクションプレスの省電力運転 片岡愼一郎,古川敏行,鬼石勝美,角田敏光 618
38  電気パルス反射法(TDR)による転炉ノズル損耗量の連続測定 奥野眞,市川文彦,渡辺誠治 619
39  熱間炉内観察装置の開発 片岡愼一郎,山本崇夫,小澤仁 620
40  取鍋用アルミナースピネル質流し込み材料の開発 倉田浩輔,松尾三郎,井上裕文,江口忠孝,川瀬義明,古田和浩 621
41  取鍋用アルミナ質流し込み材へのスピネル添加によるスラグ浸透の抑制 森淳一郎,坂口雅幸,吉村松一,小口征男,川上辰男 622
42  LF鍋用Al2O3-MgO-C質不焼成羽口れんがの実用試験結果 渡辺明,高橋宏邦,野々部和男,牧野安博 623
43  VOD用マグクロれんがの改良 行縄次夫,鈴木浩一,荒井正志 624
44  取鍋用高耐用吹付補修材 江口忠孝,原田正博,吉村正,多喜田一郎,黒田浩太郎 625
45  取鍋継ぎ足し補修技術 加藤久樹,西正明,松村豪夫,原田昭二,小林基伸 626
46  スラリー添加吹付工法による取鍋内張り表面コーティングテスト結果(Ⅱ) 永幡勉,松下襄,守屋哲也,寄田栄一,森正志 627
47  取鍋用湯当りブロックの開発 行縄次夫,坂本敏,小野泰史 628
48  取鍋用永久張りキャスタブルの劣化 渡辺敏夫,木谷福一,伊吹一省,寄田栄一,浜崎佳久 629
49  Ca処理鋼用スライドゲートプレートの開発 松下襄,守屋哲也,川村俊夫,丹羽茂樹,西部隆文,近藤憲生 630
50  耐食性に優れたジルコニア-グラファイト質耐火物の開発 武下繁行,新谷宏隆,川上辰男 631
51  連鋳用浸潰ノズルの閉塞防止 倉田浩輔,松井泰次郎,仲井正人,榊澄生 632
52  連鋳用ロングノズルの寿命改善 山本慎一,西正明,松村豪夫,小澤宏一 633
t53  浸漬ノズルの破壊現象 内田茂樹,市川健治,松尾晃,三好俊三 634
54  モールド内流動の検討(タンディッシュSNに関する水モデル実験-第2報-) 市川健治,塚本昇,飯田栄司,森田明宏,井上淳一 635
55  ポーラスれんがの熱間通気特性 鹿野弘,佐坂勲穂,片岡愼一郎 636
56  タンディッシュ堰の乾式スタンプ施工法の開発 山上哲也,俵正憲,古家後啓太,榊谷勝利 637
57  CaO質ドライ材のTDウエアライニングへの適用 林雄一郎,渡辺勇仁,重松直樹,山本敦 638
会報      

1988/9月

随想 耐火物のお世話になって 丹羽庄平 517
論文 マグネシア・カーボンれんがに含まれる不純物の高温下における挙動 石井宏昌,土屋一郎,小口征男,川上辰男,高橋弘 518
技術報告 予備処理溶銑を吹錬する転炉用炉材の検討 松生昭,宮川三郎,南部正夫,桑山道弘 524
転炉出銅口用耐火物の改良 宮川信夫,笹島康,吉田毅,山田末広,羽山清寿 530
酸化マンガン含宥スラゲに対するMgO-Cれんがの侵食機構 池末明生,山本博,鹿野弘,平櫛敬資,片岡慎一郎 535
RH真空脱ガス装置用マグネシア質非水系熱聞補修材の開発 藤原茂,原田茂美,遠藤公一,麻生誠二,榊敏,為広泰造,山口恒雄,神部義信 543
〈第78回精錬用耐火物専門委員会資料要約〉  
資料 焼結高純度原料を用いたMgO-Cれんがの適用結果 島田康平,井上明彦,井上裕文 550
溶銑予備処理用ランスパイプの寿命向上 舟之川洋,片山治男,寄田栄一,浜崎佳久,金重利彦 552
各種スラグ条件下におけるMgOCr2O3れんがの溶損挙動 平櫛敬資,玉木健之 555
MgO-Cれんがの気相酸化挙動 田畑勝弘,市川健治,伊東克則,斉藤敬治 558
CaO-MgOクリンカーの性状と不焼成CaO-MgO-Cれんがへの適用 渡辺明,高橋宏邦,松木俊幸,中谷二三男,沖本吉朗 560
ドロマイトれんがのAODにおける使用結果 中西猛,楠瀬洋,湊瑛 563
〈第23回精錬用耐火物分科会資料要約〉  
資料 高Cr2O3マグクロれんがのニ次精錬炉への適用 高橋弘,川上辰男,小口征男,土屋一郎,鵜崎暢之 564
二次精錬用取鍋耐火物 奥島敢,佐藤哲郎 567
Fe-Mn精錬炉使用後MgO-Cれんがの調査結果 平櫛敬資,鹿野弘,山本博,山田尚一郎 570
二次精錬用耐火物の異常損傷について 市川健治,湊邦夫,岡本伸一,田中良典 573
サロン 明治初年の耐火煉瓦 竹内清和 576
統計 統計 耐火物の生産実績  銑鉄粗鋼生産速報     
会報      

1988/8月

随想 新素材 日吉淳一 463
技術報告 コークス乾式消火設備(CDQ)の改造 高橋忠明,木谷福一,伊藤英雄 464
転炉内張り耐火物不定形化の技術的可能性 篠原泰明,阪本克彦,三上頼義,渡辺明,水田泰稔 472
総論 酸化物の高温クリープ 木村脩七,安田榮一 480
〈第55回築炉専門委員会資料要約>  
資料 べニヤリング技術の信頼性向上 浅野敬輔,福岡弘美,倉田浩輔,大槻雄三,塚田稔,木船勲,萩原武 488
熱間観察装置の開発 高橋忠明,寄田栄一,川野和夫 490
転炉パーマライニングの吹付け施工による不定形化 広木伸好,牟田源助,三木隆,渡辺明,鈴木嘉弘 492
溶鋼鍋流し込み材の耐爆裂性と乾燥方法 藤原茂,原田茂美,麻生誠二,片岡慎一郎,上野治幸,神田美津夫,末川幸弘 494
耐火物の座屈 中西正之 497
〈第48回原料専門委員会資料要約〉  
資料 アルミナ微粉とシリカフラワーのキャスタブル耐火物の流動性に及ぼす影響 小田中真一郎,中島紀久雄,藤正次郎,永田浩史 498
ジルコンサンドの性質 井上晃,北井恒雄 500
礬土頁岩,金属及びレジン間の反応 筏井満喜夫,川上辰男,小口征男,恒次邦男 502
高純度易焼結性MgO粉末合成と焼結特性 池末明生,鹿野弘,平櫛敬資,片岡慎一郎,松田伸一,白崎信一 504
講座 熱力学応用編[Ⅹ]セメント焼成ロータリーキルンに使用したドロマイトれんがの変質 本多徹 507
サロン 耐火物とゴルフ 藤咲満 512
統計 統計 耐火物の生産実績  銑鉄粗鋼生産速報      
会報      

1988/7月

随想 技術報告と国際化 小桜芳郎 403
技術報告 高炉用炭素含有れんがの開発 平櫛敬資,鹿野弘,加治信彦,原田力 404
溶銑予備処理用耐火物 田畑勝弘,市川健治,藤原禎一,吉村裕次,多田秀徳 411
連続鋳造用黒鉛質ノズルの開発 鹿野弘,境正弘,金子俊明 420
シリカによるジルコニア耐火物の脱安定化挙動 新谷宏隆,長谷川晋 428
省エネルギー燃焼技術 宿谷昭夫,岩城克弘,右田昭一 436
誘導結合プラズマ発光分析(ICP-AES)の耐火物への適用 恒次邦男,山根利夫,高橋弘,小口征男,川上辰男 443
酸素吹き込みRH装置におけるマグネシア-クロムれんがの損傷機構 笹島康,川本英司 451
サロン 社内技報“耐火材料” 白石晃久 457
統計 統計 耐火物の生産実績  銑鉄粗鋼生産速報      
会報      
編集後記  1988年も早や半年が過ぎ,報告書作成に忙しい後半を迎えた。7月号をお届けする。今月号は耐火物メーカー3社の技術情報誌のエッセンスを掲載する。このため本号をTransaction Issueと銘じた。 現代は情報化時代と言われ,情報が巷にあふれているが・そのわりに我々は身近な,そして重要な情報を十分に吸収していない。品川白煉瓦,黒崎窯業,川崎炉材の3社はそれぞれ"品川技報,"耐火材料,"川炉技報,を発刊されている。これら技報は公報誌であるから本会会員各位は既に読了されているはずであるが,必ずしもそうでないのが現代社会の不思議なところである。 そこで過去2年間に発刊された3社技報から,特徴のある6編を取り上げて転載することにした。各論文は本号のために・原稿を改めて執筆して頂いた。掲載ご許可と再執筆に対して厚くお礼申し上げる。テーマの選定にあたっては,従来の本誌に掲載されなかった内容で,かつ幅広い範囲をもたせることにした。
 品川技報からr省エネルギー燃焼技術」とr溶銑予備処理用耐火物」を,耐火材料から「連続鋳造用黒鉛ノズルの開発」とr高炉用炭素含有れんがの開発」を,そして川炉技報からrシリカによるジルコニア耐火物の脱安定化挙動」とr誘導結合プラズマ発光分析法の耐火物への適用」をそれぞれ技術報告として掲載することに決めた。いずれもこれまでの本誌とは一味違うユニークな内容である。ただし,内容を書き直して頂いたとはいえ,各社の技報をベースにしているため,各社の商品名や論旨に宣伝臭が残っており,投稿規定から見れば問題があるが・Transaction であることを考慮して了とした。
 本号を契機に,各社の技報が会員各位に愛読され,また今回掲載したような幅の広い内容の原稿が本誌に投稿されるようになることを希望する。本号の編集の主旨にあわせて,随想には川鉄テクノリサーチの小桜氏から技報と国際化の観点から,またサロンには黒崎窯業の白石氏から技報の編集の観点から,それぞれ啓蒙されるエッセイが投稿された。編集委員会も傾聴すべきご指摘を受けたことを感謝するとともに,両氏の意が活かされるように願っている。
 熱力学講座も11回を数え,今月は東京窯業の川本氏の「酸素吹き込みRH装置におけるマグネシア・クロムれんがの損傷機構」である。特に酸素吹き込み操業における高温下の鉱物挙動は他の事例にも応用できる命題であり,耐火物の耐用を論ずるときの重要課題である。典型的な熱力学事例であり,現場への有効な活用を積極的に図られることを望んでいる。 今回もまた投稿が遅れ,査読者各位に十分な時間が与えられずご迷惑をおかけした。余裕をもって計画したが結果は追い込みに忙殺されることになった。できばえの至らない点がある。著者・査読者・編集委員会のそれぞれが余裕のある体制を確立してレベル向上に努めたい。
 本誌に,企業が発刊している技報の論文を転載するのは初めての試みである。もし読者のご賛同が得られるなら,海外誌を含めてTransactionが1年に1号ぐらいあっても良いのではないかと考えている。忌揮のないご意見を寄せて頂きたい。 今年は12月に第1回の年次講演会がある。年次講演会に優秀な研究発表が数多く応募され,その中の優れた論文が来年の本誌を飾ることを願望している。            (担当編集委員:森・森本)      461